2025年12月05日


~『自分でできた!』の経験を促せる関わり方~


前回の「すまいる子育て⑰」では、子どもたちが生まれたときから“時短・効率化”の環境で育っていることについてお話ししました。そのような環境の中でも、「時間をかけて自分で経験すること」の大切さについて考え、具体的なエピソードを紹介しました。

今回は、子どもたちが「自分でできた!」という達成感を得られるような関わり方のポイントについて、お伝えします。

まず大切なのは、「見守る」ことです。
子どもがやっている最中に、すぐに口を出したり手を貸したりしないようにしましょう。子どもには、自分で考えて試行錯誤する時間が必要なので、子どもが自分でできる力を発揮する機会を失ってしまうことにつながります。
できるだけ手を貸さず、子どもを信じてそっと見守りましょう。

次に、「段階を大切にする」ことです。
いきなり難しいことをやらせるのではなく、簡単なステップから始め、小さな成功体験を積み重ねることで、子どもは自信を持つようになります。
「できた!」と喜べる小さな達成感が、次の挑戦への力になります。

そして、「失敗を肯定する」姿勢も必要です。
子どもが上手くいかなかった時に否定せず、「チャレンジしたことが素晴らしいね」「次はどうしたらうまくいくかな?」とポジティブに捉える関わり方を心がけると、子どもは安心して挑戦を続けられるようになります。
また、出来栄えや大人の評価ではなく、努力して考えたり挑戦したりする過程を重視し、過程に注目して話をしてみてください。
これが「粘り強さ」や「取り組む楽しさ」を育てます。

最後に、「具体的な声かけ」を意識しましょう。
例えば、「頑張ったね」だけでなく、「ここまで自分でできたね」「この部分は工夫したんだね」と、具体的にできた部分や子どもなりに努力した部分を褒めてあげることで、子どもは自己肯定感を育みやすくなります。

これらのポイントを取り入れることで、子どもが「自分でできた!」という経験を積み重ね、自分の力を実感できるようになります。
親や周囲の大人が少しずつ意識を変えていくことで、子どもたちが安心して成長していける環境が整っていくはずです。

乳幼児期や学校などの学びの時期には、興味関心をもったことにじっくり取り組み、自分なりに考えて試行錯誤したり、友達と協力・相談しながら活動することの楽しさや価値を知ったりする機会を十分に持たせることを重視しています。

ノーベル生理学・医学賞を受賞した大阪大学の坂口志文先生も、「好奇心が何よりも大切」とインタビューで語っておられます。
未来の予測が難しい今だからこそ、「自分で考え、行動し、協力できる力」を伸ばしてあげたいですね。




一枚ずつ色の異なる紅葉。子どもたちもそれぞれの良さを発揮しながら大きくなってほしいですね。


【 すまいる 子育て 】
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